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腰痛 いわき市 整形外科

2019/10/15

誰しも一生に一度はかかるといわれる「腰痛 」ですが、(下肢のしびれ等の症状のない腰痛に限れば)結論から申しますとその原因がはっきりしないことも多いです。

長時間立ち仕事をしている方、肉体労働、長時間のデスクワーク、車を長時間運転する仕事の方で腰痛を抱えている方は少なくありません(誰でも経験があるかもしれませんが、長時間寝ているだけでも腰が痛くなったりします)。

若年者からお年寄りまで腰痛は発症します(が、お年寄りのほうが腰痛罹患率は高いです)。

 

整形外科 では腰痛の原因を「発症のきっかけ」「職業」「年齢」「性別」「しびれの有無」「圧痛」「動作時痛」「腰痛の部位」「下肢神経所見」さらには「レントゲン」「CT,MRI」「採血検査」などで調べます。高齢女性の場合は骨密度を計測して骨粗鬆症の程度を調べます。

整形外科的な病的腰痛としては「圧迫骨折(高齢女性、骨粗鬆症、自然に骨折することもあります)」「腰椎椎間板ヘルニア」「腰部脊柱管狭窄症」「変形性腰 椎症」「病的骨折(腫瘍など)」「感染(ばい菌)」「腰椎すべり症」「強直性脊椎炎」などがあります。変形性股関節症に伴う腰痛もあります。

これら病的な腰痛を除外しながら診断しますが、上記を疑う所見なし、といういわゆる「腰痛症」 という患者さんが多くいらっしゃいます。

椎間板変性(椎間板のクッション機能が低下)があることが多いので「腰椎椎間板症」としたり、腰椎後方は関節で連結されているため関節痛としての概念から 「椎間関節症」と病名をつけることもあります。「筋筋膜性腰痛」は腰部の筋肉の圧痛(押すと痛い)があり、堅い部分があります。

一部のカイロプラクティックでは「骨盤のゆがみ」「脊椎のゆがみ」ということを言われるようですが、「ゆがみ」の定義が曖昧なのが気になります。

このように現在でも腰痛の診断は極めて難しいのですが、すべての患者さんに多くの検査をすることは時間的経済的な損失でもあるので、医師の経験的な診断が行われているのが実情といえます。

治療は診断に基づいて行われるものですが、「腰痛症」の場合、様々な治療がありますので、患者さんに合った治療を探しながらすすめていくことが多いです。

 

以下仙腸関節研究会HPより引用します。http://www.sentyo-kansetsu.com/jp/sacroiliacjoint.php

仙腸関節障害(せんちょうかんせつしょうがい)とはどのような病気ですか?

仙腸関節(せんちょうかんせつ)は、骨盤の骨である仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)の間にある関節であり、周囲の靭帯(じんたい)により強固に連結されています。仙腸関節(せんちょうかんせつ)は脊椎の根元に位置し、画像検査ではほとんど判らない程度の3~5mmのわずかな動きを有しています(図1)。

日常生活の動きに対応できるよう、ビルの免震構造のように根元から脊椎のバランスをとっていると考えています。中腰での作業や不用意な動作、あるいは繰り返しの負荷で関節に微小な不適合が生じ、痛みが発生します。

仙腸関節障害は決して稀ではありません。一般的に、出産後の腰痛に仙腸関節障害が多いといわれますが、老若男女を問わず腰痛の原因となります(表)。

図1:仙腸関節の位置と動き     表:仙腸関節障害の性別・年齢分布

どのような症状がありますか?

片側の腰臀部痛、下肢痛が多くみられます。

仙腸関節障害で訴えられる“腰痛”の部位は、仙腸関節を中心とした痛みが一般的ですが、臀部(でんぶ・おしり)、鼠径部(そけいぶ・あしの付け根)、下肢(かし・あし)などにも痛みを生じることがあります(図2)。

ぎっくり腰のような急性腰痛の一部は、仙腸関節の捻挫が原因と考えられます。仙腸関節の捻じれが解除されないまま続くと慢性腰痛の原因にもなります。長い時間椅子に座れない、仰向けに寝れない、痛いほうを下にして寝れない、という症状が特徴的で、歩行開始時に痛みがあるが徐々に楽になる、正坐は大丈夫という患者さんが多くいらっしゃいます。

腰臀部、下肢の症状は、腰椎の病気(腰部脊柱管狭窄症・ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう や 腰椎椎間板ヘルニア・ようついついかんばん など)による神経症状と似ているので注意が必要です。下肢の痛みは一般的に坐骨神経痛と呼ばれますが、仙腸関節の動きが悪くなり、周囲の靭帯が刺激されることでも、下肢の痛みを生じてきます。

また、腰椎と仙腸関節は近くにあり、関連していますので、腰椎の病気に合併することもあり得ます。腰椎の病気に対する手術後に残った症状の原因となる場合もあります。

図2:仙腸関節障害の疼痛部位 100例の検討

治療はどのようにするのですか?

安静、鎮痛剤(痛みどめ)、骨盤ゴムベルトといった保存的治療がまず行われます(図7)。

骨盤ゴムベルトでは前締め、後締めを試し、疼痛が軽減される方を選択しますが、経過によって変わっていくこともあります。骨盤ゴムベルトは、仙腸関節の微小な不適合の発生を抑える効果があり、仕事復帰時などの再発予防にも使えます。

これらの治療で改善しない場合には、仙腸関節ブロック(仙腸関節に局所麻酔剤を注射)を行います(図8)。ブロック注射によって痛みが軽減されることで、仙腸関節の適合が良くなり、回復に向かうと考えています。

また、AKA(関節運動学的アプローチ)博田法(はかたほう)も有効で、徒手的に仙腸関節の適合を正していく方法です。非常に稀ですが、これらの治療を行っても強い症状のために日常生活に支障をきたす場合には、仙腸関節の微小な動きを止める手術(仙腸関節固定術)が行われます(図9)。

図7:骨盤ゴムベルト 図8:仙腸関節ブロック  図9:手術

現在

腰痛症の原因は

仙腸関節痛

椎間関節痛

筋筋膜腰痛

心因性腰痛症

変性側弯による腰痛症

骨粗鬆症

椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄による慢性腰痛

職業性腰痛症

肩こりからくる腰痛症

尿路結石など

膵炎

股関節疾患による腰痛症

これほどの疾患があるので、まずは整形外科を受診することをお勧めします。

 

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